北のデザインビルド研究会(略称)北DBとは
                           1998.08
                          北のデザインビルド研究会
                      文責 ただいし@シスコン・カムイ

※ デザイン・ビルド方式(D・Bシステム)とは

 公共採用システムは設計・施工の分離が原則だが、高度または、特殊な技術を要し
ていて設計・施工の技術が一体で開発されるなどにより、個々が有する特別な設
計・施工技術を一括して採用することが適当と判断する工事に、設計事務所や商
社、異業種企業などと建設業者が組むコンソーシアム(企業連合)に一括で設計・
施工を発注できる方式。 設計・施工一括発注方式ともいわれる。

※ 北のデザインビルド研究会(略称)北DBとは

様々な日常活動から地域の現状を尊重し、既存の小さな組合せが連携して相乗発展す
る、同意と共感の醸成フィールドつくりを産・学・官交流PJで運営します。

「ラストユース」の発想で日常一人ひとりが環境保全に取組める新しい社会システム
をデザインします。

地域のこだわりと特色ある個性を組み合す小さなモノづくりの公共採用を提言すると
共に、北海道ぐるみの相乗活力創造の場を拡げます。

「市民参加」のモノ(施設)の運用を計画、設計、施工にフィードバックするワーク
ショップの積み重ねが、こだわりや特色ある地域素材・技術を活かす街づくりを進
め、やがては公共コストの縮削減にもつながることを提唱します。

※ 地域にこだわるデザイン・ビルドの定着に必要不可欠な要素とは

・素材と技術・技能を組み合わす生産性と、必要なモノ(施設)の市場性の地域内適合(別紙2)
 「公共性を保つには地域の生産性より法律や制約が優先」と躊躇する行政採用窓口
 に一緒に地域視野を広められる新しい選定評価を採用する

・ 北海道で暮らす一人ひとり、その個人が集まる組織や団体、形成される地域社会へと主旨を拡げる
 デザインとはマンネリを打破する先行的な取り組みで、一部のデザインを大切にしても定着しない
・ 地域に役立つ「ラストユース」評価システムづくり(別紙3)(欧米にはあるがわが国にはまだない)
 「モノ(施設)つくりのあとは何もしないメンテナンスフリー」優先から、モノつくりの素材や人が
 そのまま関わって、利用しながら交換したり手を加えることで長く使える価値感に変える

※ 「ラストユース」とは、メンテナンス(維持、管理)で手を加える必要がな
 い「メンテナンスフリー」のモノを優先してきた時間が経てばモノの価値が減少
 するというこれまでの発想とは逆に、時間経過と共に手を加えてモノの価値を高め
 ることで使い易く長もちさせる発想でメンテナンスとは根本的に違いがある

 この発想「ラストユース」を活かすモノ選びに評価手法を変えることと創意工夫を
 盛り込めるデザイン設計が大切になる。

 公共採用の新方式では国や都道府県がデザインビルドを含め大規模な物件で小数の
 モデル試用を進めています。
 地域の公共採用こそ早めの変化が必要で、地域にこだわる広い視野で地域ぐるみの
 参加による取り組みが当然求められています。
 大規模で試す国に倣うこれまでの進め方とは違い、地域に適する小規模の物件を数
 多く試用する北海道の自発的なデザインビルド方式を進める必要性を日本中が北海
 道に倣う「時のアセス」も示しています。




  活動記録

                           
1998.04
 地域の既存活力を応用できる社会システム再構築を追究する自主研究会(PJ運 営)を
 北の市民事業研究所(別紙4)のメインスタッフを中心に発足 (ページ末に名簿)

1998.05
 地域ぐるみで暮らしよさに取り組める共創ローカルシステムを追究する活動の準備をはじめる
 いいモノづくりの創意工夫を調査、設計の時点から盛り込まなければならない観点から
 設計・製作を一連とするデザイン・ビルドの地域システムを追究することにした(別紙1)
 PJ推進母体の名称を「北のデザインビルド研究会」(略称「北DB」)とする

1998.06
 SC−カムイの技術提携先 フィンランド デザインタロ社社長と1998年度初回の打ち合わせ

 「日本の住宅を長持ちさせるには自分の手を加えられる作り方とそのサポートシステムが必要」で一致

  北欧ではDIYショップがサポートしているが、旭川では形態が違うことを指摘される
  (DIYのブームはあるが、メンテナンスは他人任せが断然多く、利用度は低い)
  DIYショップを北欧的に変化させるには、同時に社会ニーズの先行発掘を進めることと課題提起
  地域対応の力不足を補填するには大きな力との連携が必要、その組織はどこに存在するか?
  素材と技術・技能を組合す生産性とモノ(施設)の市場性の地域内適合を提言(別紙2)

1998.07  北海道開発局開発調査課からDIY協会の存在と地域の生涯教育活動を進めていることを確認
 札幌で日本DIY協会関係者と初交流、共通する目的の活動を地域で一緒に進めることを確認
 地域に役立つ「ラストユース」評価システムづくり(別紙3)
 (欧米にはあるがわが国にはまだない)

1998.08.
 北海道開発局と北DBで今後のラフプログラムを模索検討
 北海道開発局の地域活性化モデル調査の対象に合うか検討
 北DBの「ラストユース」発想定着推進を日本DIY協会と一緒に進めるプログラム共創を検討

1998.09
 小川諭一専門研究員の永山パワーズに本事業イベントフィールドの提供と支援を要請
 旭川産業高度化センターに本事業の支援参加を依頼
 あさひかわ雪あかり事務局(ほくでん旭川)に支援と公開フィールド提供を依頼

1998.10.08
 滝井 宏良氏、日本DIY協会、北海道開発局、北海道産業クラスター等の関係者が来旭
 林産試験場、工芸センター、永山パワーズ、雪あかり事務局(ほくでん旭川)、シスコン・カムイ視察

1998.10.09 9時〜13時
 滝井 宏良氏、日本DIY協会、北海道開発局、北海道産業クラスター関係者と今後の連携策打ち合わせ
 北DB研修会 第1回 講師 滝井氏 「創意工夫をすき間に 。」  於 ARC
 北DB研究員と前日視察関係者に限定(以後の研修も滝井氏の知的所有権に配慮しながら参加限定する)
 研修支援 北海道開発局予定

1998.10.14
 あさひかわ雪あかり実行委員会準備会 北DB、日本DIY協会の連携事業との提携について

1998.10.26
 フィンランドラップランド大学からティーリカイネン教授シスコン・カムイ来社
 ラップ大学生インターンシップへの協力依頼と今後の進め方協議

1998.11.20 14時〜21時
 北のDB研修会 第2回 講師 滝井氏 「開発研究プロセス」  於 ARC
 北DB研究員とその関係者 招聘範囲はパート。の進行度合で判断

1998.12.15
 北DB、日本DIY協会、雪あかり合同会議
 親子手創りの集い開催について  ゴールドエイジアドバイザーの発掘

1999.01.24
 住まいのお手入れ教室開催 (地域から20名参加)  於 パワーズ
 北DB、日本DIY協会、雪あかり実行委員会、北方圏懇話会の地域合同教育事業

1999.01.26・27
 北DB研修会 第3回 講師 滝井氏 「開発プロセス2」  於 ARC
 地域関係者へと参加案内拡大

1999.02.09
 フィンランドラップランド大学からシスコン・カムイ来社
 インターンシップへの協力依頼と雪・氷の芸術展開について協議


1999.02.11
 こども工作教室(地域から30名参加)  於 パワーズ
 開催 北DB、日本DIY協会、雪あかり実行委員会、北方圏懇話会の地域合同教育事業

1999.02.06〜14
 あさひかわ雪あかり会場で地域合同教育事業の成果を公開

1999.03.16・17(予定)
 北DB研修会 講師 滝井氏 「開発プロセス3」  於 ARC
 北DB、日本DIY協会、雪あかりの地域合同教育事業の成果分析
 研修支援(予定) (財)旭川生活文化産業振興協会
  


 北のデザインビルド研究会 スタッフ一覧
    随時、産・学・官メンバーにPJ参加を要請しフレキシブルに運営する


常任研究員  只石 幸夫 シスコン・カムイ    北の市民事業研究所  エアドゥークラブ
       北条 孝三 ビーインフォー     北のごみ総合研究会  アルコー倶楽部
       森本 弘  ダイイチプラニング   GIS協会      北方圏懇話会
       国本 正雄 くにもと病院      北海道トイレ協会   北の市民事業研究所

専門研究員  井下 佳和 北海道録画センター   北の市民事業研究所  北方圏懇話会
       谷口 威裕 谷口農場        クリーン農業研究会  北の市民事業研究所
       吉田 晃敏 旭川医大眼科教授    北の市民事業研究所
       表  豊  表鉄工所        アルコー倶楽部
       小川 諭一 富士管財        アルコー倶楽部
       小川 博  東海大学旭川      アルコー倶楽部
       葛西 章  北海道林産試験場    アルコー倶楽部
       山下 敦規 旭川産業高度化センター アルコー倶楽部
       ユッカ トゥオミスト シスコン・カムイ(フィンランドからの招聘社員)
       武田 勇美 旭川観光協会

サポートメンバー(敬称略)
       千葉 俊輔 HOKTACクラスター事業事務局
       瀬尾 英生 産業クラスター
       染井順一郎 北海道開発局開発調査課
       東田 雅裕 北海道開発局開発調査課
       滝井 宏良 ニュービジネス・アドバイザー

協力メンバー(敬称略)
       稲葉 義郎 サンデーペイント  日本DIY協会
       遠藤    ホーマック
       あさひかわ雪あかり実行委員会

地域オブザーバー参加(敬称略)
       鈴木 徳雄 鈴木産業      アルコー倶楽部
       渡辺 直行 インテリアセンター アルコー倶楽部

旭川産業クラスター研究会(敬称略)
       インターフェイス総研
       金森 勝義 林産試
       渋谷 邦男 東海大旭川
       八重樫   教育大旭川
       田邊 龍彦 システムブリッジ
       山内 康史 山内システム設計
       阿部 祐之 東豊自動車工業 アルコー倶楽部
       山内    富士測量



「北の市民事業研究所」とは

 地域に潜在するニーズを先見・発掘し、調査、計画、設計の段階から多くの参画を
促す情報オリエンテーションを活発にし、地域事情に詳しい生活者や企業が主体に
なって事業開発を進める「地域創造事業」の一助を目的に不定期の集まりを繰り
返しています。

  これまでの活動から

 日常活動で得た情報を可能な限り公開しあい、地域潜在ニーズを発掘します。先見
ニーズを固め現状を把握し、その「課題克服」=「新事業創造」と捉え、地域内の
異企業融合化を薦めます。開発期限を設定し、技術、設備、人材などを地域内企
業力の高度化で克服し、更に補填すべき部分を地域外から調達します。
 本年2月に「(財)全国中小企業融合化促進財団」から「異業種交流成果優秀製品
賞」を受賞した、冬季の路面スリップを防止する防滑剤散布機器「はやまきくん」
がその具体的な成果事例です。

 スパイクタイヤ規制の数年前からスリップ多発を社会変化として予測しました。
この防止策が社会ニーズとして異常に高まると推測し、規制開始までさまざまな課題克
服をシミュレーションしました。事業化段階で、技術や人材、資金などの開発資
源組合わせを集まった企業間で進めます。事業開発の資金継続はメンバーの信頼関
係が重要です。事業化前のシミュレーションはニーズ側の考えが重要視されま
す。平成2年から活動する「北の市民事業研究所」は、これまで地域ニーズ発掘を
主に取り組んできました。最近は規制緩和から社会変化が多発し、地域ニーズの
先見も座談を超え、様々な視野の調査活動を必要とします。「はやまきくん」の場
合も開発パートナー以外のメンバーが、スパイクタイヤ廃止まで、事業化シミュ
レーションを機器制作と並行して支援しました。
 これまでの開発研究支援は制作資金補助が中心で、自己資金が主の調査研究はボラ
ンティア的な参加でした。「北の市民事業研究所」も同様で、事業化からは制作
パートナーがリーダーシップをとりながら進め、調査メンバーはその時点からオブ
ザーバーに徹する体制をとっています。

 効率的な開発研究には、調査研究を重要視することが不可欠と捉えています。
 また、研究開発を継続している「道産木材を活用するエクステリア商品開発」は
「えぞ木 カムイ」のネーミングで、初期のベンチ、標識、屑いれ、テーブルなど
からパーゴラ、四阿、照明塔、建築物、フェンス、木橋、遊歩道などへと多彩な
オリジナル商品群が各地で利用されています。この間、国、道庁、旭川市、北海道
林産試験場はじめ東海大学やたくさんの官・学にサポートされ、地域の多様な
パートナー参加で年間5億円程度のオリジナルデザインの企画商品供給に成長しま
した。第三者評価として助成やたくさんの賞をいただき、今後のはずみとして熊
本県とも技術交流がはじまり、研修生を受け入れています。小さな地域事業から地
域産業へと進む可能性を抱き、北と南の交流から全国ネットワークの形成を目標
として継続しています。


  北の市民事業研究所のメンバー構成と運営システム

代表スタッフ 山本 克郎 (旭川大学名誉教授 北海道千歳リハビリテーション学院長
              21世紀政策研究センター)
              北海道国際航空の設立代表取締役 学・官をメインにデーター収集および解析

スタッフ   井下 佳和 (北海道録画センター社長)
              情報関連をメインにノウハウを展開

       国本 正雄 (くにもとクリニック院長)
              医療・福祉分野をメインに街づくりプランを展開

       谷口 威裕 (谷口農場専務)
              農業分野をメインに生態系関連のノウハウ展開

       只石 幸夫 (シスコン・カムイ社長)
              建設関連・デザイン・地域計画関連のノウハウ展開


 プロジェクト毎のスタッフ・メンバーは地域内外からの市民参加スタイルを大切に
し、テーマ提起から進行状況を情報発信し、関心もつ人たちが意識的に参画できる
ようにしています。調査研究から開発段階に進行すれば当然、新しいスタッフ・
メンバーの入れ替わりも発生します。要は、調査・開発の期間中、継続してニーズ
を正確に把握することが成果発揮の重要素として捉えており、最近のように変化
のサイクルが顕著になればニーズも途中で変化すると考えています。
 参加スタッフ・メンバーは無報酬・無手当が原則です。調査開発状況の情報発信と
同じように日常活動の中で調査研究を進めるスタイルが主流です。また、運営に関
わる必要資金の調達は、テーマを持ち込んだ者が主に負担することにしています。
もちろんその者が、スケジュールはじめ運営企画の主権と責任を担います。