「地域の雇用安定に向かって地域産品の利用拡大」
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                        北のデザインビルド研究会
                    文責 ただいし@シスコン・カムイ

 働ける場の安定が地域の安心な暮らし

 職場環境が激変し、多くがリストラと称する人員削減に直面しています。研究
開発や雇用確保の支援がとられていますが、緊急の課題克服としては難しい感じ
があります。
 一方、私たちの暮らしでは「道産米」の地場消費率が40%前後と少なく、も
っと食べれば北海道農業が元気づくと言われています。また地域を活気づけるモ
ノつくりにも、行政の支援を受けながら地域で利用してもらえない同じような状
況があります。
 地域こだわり事業に取り組めるはずの規制緩和が進み、予測できなかった先行
き不安感が地域を覆い、将来より目先へと次第に経営の観点が偏向し、存在した
はずの地域の企業連携が崩れ、安価な海外や地域外の産品利用へと変化していま
す。自分たちが受けられる権利と逆に果たすべき義務のバランスがとれず、地域
産品利用による地域ぐるみの付加価値増強を理解できても、ゆとりの連携がもて
ない状況です。
 
 

 「地産地消」の提唱は何故?

 北海道の自立を提唱する人たちから「地産地消」を意識する地域産品利用が高
まれば、地域の仕事が増えて雇用が安定しノウハウ蓄積と安定供給からコストダ
ウンも進み、外との競争力がついて「自立に役立つ即効の付加価値」が生まれる
と教わりました。
 いま地域ぐるみで確認すべきことは、私たちの暮しに役立つ「いいモノ選び」
の権利ばかりでなく、逆にそのニーズを満たすのも地域で働く私たちの義務とい
う両面の立場の存在を意識する行動です。
 

 地域産品の評価は「良くない・高い・・・・・」

 「安心して暮らせるシステム的な地域ぐるみの仕事づくり」を「いいモノ選
び」に加えたらもっと地場産品利用が拡大されます。これまで以上に産・学・官
連携で先行きの元気な企業づくりを進めると共に、利用者・提供者という両面の
立場をもつ一人ひとりが即効をもたらす地場産品利用の価値観を意識しあう連携
が大切です。
 そして大きな消費機関に位置付けられる地域行政が発注や利用・購買選択を通
じてこの価値観をより一層広めれば、単純な自由競争で生まれる地域の雇用減少
を防止します。
 諸官庁による一次発注からその先の二次、三次・・・の利用選択まで、現状で
は手間不足で目を届かすのは大変でしょうが、緊急対応として小さなものでも積
極的に地域にこだわれるデザイン・ビルド方式などを採用すれば地域産品利用に
大きく結びつきます。公共社会性を保つ必要からもこれまで育まれた産学官交流
等を活かし、特色あるノウハウで地域計画から一緒に検討を繰り返す方法で、理
に適い真に役立つ地域産品の利用拡大が進めば地域の付加価値が高まります。
 

 ※デザイン・ビルド方式(D・Bシステム)とは

 設計・施工一括発注方式ともいわれ、設計・施工の分離が原則の公共の採用シ
ステムで、設計事務所や商社、異業種企業などが建設業者と企業連合を組んで特
色ある技術力を発揮できれば、設計・施工一括発注が適当と公共社会性ある判断
のもと適用可能な発注方式
 街づくり計画から設計、施工まで、これら特色ある技術をもつ関係者が公共社
会性をもって一緒に参画できれば、いい地域づくりとやがての公共事業のコスト
削減にもつながると「北のデザイン・ビルド研究会」は特色あるそれぞれの個性
を活かす地域のモノつくりと公共採用システムの連携、地域にこだわる取り組み
の実践提案をつづけています。

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